ノースアメリカン T-28B(63-0851)
North American T-28B(63-0851)
(写真上) エアパーク浜松で撮影したノースアメリカン T-28B(63-0851)
五式戦闘機なみの高性能機、空自では1機のみで各種研究・実験で使用された。

アメリカ空軍用の高等練習機として開発されたノースアメリカン XT-28は1949年に初飛行した。最初の量産型であるT-28A、そして改良型のT-28B/Cが合わせて 約2000機量産された。愛称は「トロージャン」。同じノースアメリカン製練習機T-6「テキサン」のエンジン出力が 600hpだったのに対して高等練習機だったT-28B/Cは1425hpと大幅に強化されていた。これは大戦中の零戦や隼をも上回り五式戦闘機に匹敵するものであった。 最高速度も550km/hでジェット機時代草創期においては十分な実戦能力も持っていた。

高性能故、T-28「トロージャン」はアルジェリア戦争やベトナム戦争にも投入され対地攻撃で大きな戦果をあげた。地味な機体ながら大戦後第1世代の傑作軍用機と 評価出来る存在だった。

T-28Bは1機がサンプルとして日本に送られ航空自衛隊にも売り込みが図られたが空自では国産T-1が採用されたのでT-28Bの日本での練習機としての採用は見送られた。 但し、空自でもT-28Bの性能は高く評価されたと伝えられる。 その後はテスト機として各種研究や実験、偵察隊訓練機として使用されたが昭和38年に飛行不能となり地上教材として暫く使われた。

今でもエアパーク浜松で展示されておりその姿を見る事が出来る。
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