アンザック | FFH-150 | 1996年5月竣工 | 2014年度に対艦ミサイル対処能力向上計画AMSD完了 |
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アランタ | FFH-151 | 1998年12月竣工 | 2014年度に対艦ミサイル対処能力向上計画AMSD完了 |
ウォーラムンガ | FFH-152 | 2001年3月竣工 | 2015年度に対艦ミサイル対処能力向上計画AMSD完了 |
スチュワート | FFH-153 | 2002年8月竣工 | |
パラマタ | FFH-154 | 2003年10月竣工 | 2015年度に対艦ミサイル対処能力向上計画AMSD完了 |
バララト | FFH-155 | 2004年6月竣工 | 2015年度に対艦ミサイル対処能力向上計画AMSD完了 |
ツゥーウムバ | FFH-156 | 2005年10月竣工 | |
パース | FFH-157 | 2006年8月竣工 | 2011年度に対艦ミサイル対処能力向上計画AMSD完了 |
(写真上)
写真上と同じく平成27年度観艦式に参加した「スチュワート」。前甲板に装備された艦砲はアメリカで開発された127mm単装砲 Mk45.Mod2
近接防御兵器20mmCIWSの搭載スペースは確保されているがいまだに装備されていない(NZ艦には装備されている)。
ドイツのブローム・ウント・フォス社が計画したMEKO型フリゲイトは比較的低コストであり兵装や主要装備品をモジュール化して採用国の要求に合わせて選択出来るなど 多様なニーズに応えるユニークな水上艦艇として多くの中小国で採用された。
MEKO型は大きく4形態に分類される。その中でもMEKO200型は実用性の高さから成功作と評価された。 オーストラリア海軍でも老朽化していた護衛駆逐艦「リバー」級及び駆逐艦「パース」級の代替艦として90年代にMEKO200型を 導入する事となった。同時にニュージーランド海軍でもフリゲイト「リアンダー」級の代替艦を必要としておりMEKO200型が採用され両国の共同計画となった。両国のMEKO200型は全艦オーストラリアで建造され豪艦は「アンザック」級、NZ艦は「テ・カハ」級となった。 ネームシップの「アンザック」は1996年5月に竣工。 両国が導入したMEKO200型は1991年から竣工を開始したポルトガル海軍のMEKO200 Mk3型フリゲイト「ヴァスコ・ダ・ガマ」級に準じた設計である。
ただし、対空ミサイルは「ヴァスコ・ダ・ガマ」級が短SAM8連装発射機だったのに対して「アンザック」級及び「テ・カハ」級は垂直発射装置VLS(8セル)に 近代化されている。当初、短SAMはシー・スパローであったが「アンザック」級は2003年以降、発展型シー・スパローESSMに換装され対空能力は大幅に 向上している。他国のMEKO200型の機関はCODOG(ガスタービン2基/ディーゼル2基)方式が主流であり出力は前述の「ヴァスコ・ダ・ガマ」級が53000馬力、 トルコ海軍が「バルバロス」級の60000馬力で速力はいずれも32ノットだ。
ところで「アンザック」級及び「テ・カハ」級は排他的経済水域EEZでの哨戒警備など比較的脅威の低い海域での作戦行動を想定しており機関は CODOG(ガスタービン1基/ディーゼル2基)と前2級よりガスタービンが1基減とされ出力は30172馬力(速力27ノット)と低く抑えられている。この値は このクラスの水上戦闘艦艇の中でも低い数値であり「アンザック」級及び「テ・カハ」級の大きな特徴と言えよう。なお、「アンザック」級は対艦ミサイル対処能力向上計画AMSDを実施中であり8番艦「パース」より順次改造工事を行っており2015年度末で6隻が工事完了と なっている。
「パース」は本クラス最終艦(8番艦)として2006年8月に竣工した。
オーストラリア海軍では「アンザック」級の対艦ミサイル対処能力向上計画AMSDを実施中であるが「パース」がクラスの最初に改造工事を受けており2011年度に 完了している。
これにより中部マストに装備されていた3次元レーダーが撤去され新型フェーズド・アレイ・レーダーCEAFARを装備し艦容は著しく変化している。この改造で発展型シー・スパローESSMの運用能力が大幅に向上した。 本項の写真は平成19年10月に来日した際に横須賀で撮影したものであり改造前の姿である。
太平洋の海鷲