アメリカ製重機関銃 ブローニング M1919A4/U.S.Browning 7.62mm HMG M1919A4


(写真上)陸自武器学校資料館で展示されているブローニング M1919A4、放熱穴が設けられた24インチバレルが大きな特徴
U.S. Browning 7.62mm HEAVY-MG M1919A4 JGSDF Ordnance School

作動方式:ショートリコイル、使用弾薬:.30-06スプリングフィールド弾(7.62×63)、給弾方式:ベルト給弾
口径:7.62mm、銃身長:609mm、全長:963.7mm、重量:約14s
初速:840m/s、最大射程:3200m、有効射程:600m、発射速度:440〜550発/分(最大)、75発/分(持続)

アメリカ流合理主義で設計された極めて優れた機関銃

第一次大戦中に開発されたブローニングM1917は優れた機関銃であったが水冷式の為、重量があるのが難点だった。
これを改良し18インチの放熱筒を兼ねたバレルを装着して空冷式とし軽量化を図った機関銃がM1919である。マニア的には”キャリバー30”と言った方が通りがよい。 最初の生産型であるM1919は戦車の車載用でありこれを小改良して歩兵用に三脚架(トライポット)を使用し地上射撃を行える様にしたものがM1919A1である。

-- シリーズの代表であるM1919A4 --

M1919A1を更に改良したM1919A4は従来の18インチバレルを長銃身化して24インチとした丸形の放熱穴を設けたバレルを装着、戦時における量産性も考慮されており構造は極力簡易化され部品数も少なくされた。 1936年から生産が開始、主に分隊支援火器として配備された他、重火器中隊の主要火器としても重宝された。車載用としても多用されている。M1919A4はシリーズの最多の生産数を誇る。

給弾は専用の弾薬箱から250発ベルトで連結される。 ライバルのドイツ製MG42の驚異的性能には及ばなかったが優れた信頼性と量産性で米軍の主力7.62mm級機関銃としての地位を不動のものとし大戦後も多くの西側親米国で使用され 朝鮮戦争やベトナム戦争などでも大活躍している。

安定した射撃を可能とする三脚架がM1919A4の大きな特徴。

機関部は量産性を考慮した直線的なデザインでアメリカ流の合理主義を強く感じる。

機関部後端にはグリップと引き上げ式トリガーがある。

-- 陸自でも好評だったM1919A4 --

M1919A4は陸自にも多数供与され長く現役にあった。故障が多い62式機関銃より部隊での評価は高かった。61式戦車や60式装甲車の車載用機銃としても使用された。


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太平洋の海鷲

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