35mm2連装高射機関砲 L-90/JGSDF Oerlikon 35 mm Twin gun L-90

↑ L-90 at JGSDF Camp Tsuchiiura
(写真上)土浦駐屯地で展示されている牽引姿勢のL-90
火砲:353MK型
口径:35mm、砲身長:3150mm
発射速度
  ・550発/分(1門あたり)、1100発/分(双連)
照準範囲:俯角 -5°〜 +92°


↑ L-90 at JGSDF Camp Shimoshizu
(写真上)下志津駐屯地で展示されている射撃姿勢のL-90。タイヤを格納しアウトリガーを展開している
エリコン製の35mm機関砲、導入当時は世界最高水準の対空機関砲であった

35mm2連装高射機関砲 L-90はスイスのエリコン製GDF-001の日本仕様で米軍供与の老朽化した第二次大戦型高射火器を更新する為に導入された。
まず、昭和41年度に参考品をエリコン社から輸入し試験評価の後に制式採用され国産化が図られている。陸自が採用したのはGDF-001の日本仕様でL-90という名称は日本独自である。 L-90は60年代後半から80年代前半にかけての高射火器としては世界水準にある極めて優秀な兵器であった。90口径ある35mm機関砲は1門あたり550発/分、連装で1100発/ 分という驚異的な発射速度を誇り有効射程は3500〜4000m、命中精度も非常に良好であった。

35mm機関砲はエリコン社の技術指導により日本製鋼所で、射撃統制装置 スーパーフレーダーマウスはコントラベス社の技術指導により三菱電機でそれぞれライセンス生産された。L-90は機関砲、射撃統制装置、電源車など システム全体の総称を指す。

同系列の35mm機関砲が87式自走高射機関砲や89式装甲戦闘車にも装備されている

90年代以降、各国の武装ヘリコプターに搭載される対戦車ミサイルの射程が6000m級に達しておりアウトレンジされる可能性が 出てきた。世界各国でも対空兵器は機関砲からミサイルに替わりつつあり陸上自衛隊でも師団高射特科はミサイル化されL-90は徐々に姿を消していき 平成21年度までに完全に用廃となった。なお、同系列の35mm機関砲は87式自走高射機関砲や89式装甲戦闘車にも装備されている。 また、海自では護衛艦「たちかぜ」型にL-90を搭載する構想があったがこれは実現しなかった。


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