九五式小型乗用車「くろがね四起」
TYPE95 4x4 Light Vehicle
この頁の九五式小型乗用車「くろがね四起」は2016/11.20(日)、東京お台場で開催された旧車天国2016で撮影したものです。
京都で保管されていたものを潟Jマドが日本全国の有志の協力を得てレストアしたもので細部まで完璧に再現されています。 「くろがね四起」は幾つかのタイプがありますが本車は3名定員の前期生産型と思われます。 「くろがね四起」の現存車両は日本ではこの車両を含めて2両のみ(他の1両は石川県小松市の日本自動車博物館所蔵)、他国でも極少数しかなく非常に貴重な歴史 の生き証人です。
九五式小型乗用車はサイドカーに替わるものとして構想された。
陸軍は満州事変での戦訓からサイドカーでは能力に限界があり指揮偵察連絡任務をこなす4輪駆動の小型車両の必要性を痛感していた。

試作は日本内燃機が行い主設計者は蒔田鉄司であった。当初、搭載エンジンは水平対向空冷4気筒を考えたが実際には英サンビーム製オートバイOHVを参考にした 45°V型空冷2気筒(排気量1200cc)が開発された。乗車定員は前席2名だがトランクルームに補助席2名分が容易されていた。 走破性は非常に優れており陸軍の要求を十分に満たした。九五式小型乗用車として制式化された。 人員輸送重視の設計で貨物搭載量は少なかったが米独の小型軍用車両と比べてもかなり早い実現であった事は高く評価される。

  前期量産型では排気量は1300ccにアップされ補助席は廃止され車体後席1名分が確保され3名定員になった。後期量産型は排気量は1400ccと更にアップされ定員4名と 強化されている。基本設計は優秀だったが合計4775両生産に留まったのは惜しまれるが当時の我が国の国力・生産力からみて止むを得ない事態であった。




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