哨戒ヘリコプター HSS-2B
JMSDF MITSUBISHI/Sikorsky HSS-2B
(写真上)
館山基地で展示されているHSS-2B(用廃機)

海自艦隊航空を支えた功労者、SH-60と交代して平成15年度までに全機用廃となった

シコルスキー社がHSS-1(SH-34)の後継機として開発したアメリカ海軍の対潜ヘリコプター HSS-2(後にSH-3Aと改称)は 多くの西側親米国で採用された傑作機であった。HSS-2の生産が本格化した60年代には対潜作戦におけるヘリコプターの存在は決定的なものとなっていた。
海上自衛隊でも昭和38年度からHSS-2の調達を開始し三菱重工でライセンス生産が行われた。HSS-2は55機生産されたが49年度以降はエンジン 出力を強化したHSS-2Aの生産が始まり28機が取得された。海自HSS-2Aはアメリカ海軍のSH-3Dに相当する機体であった。

昭和54年度以降は SH-3Hに相当するHSS-2Bが調達され84機が取得された。B型はソノブイ・システムや磁気探知機MADを搭載して対潜能力を高めた他、 ESM能力を向上させある程度のミサイル警戒能力を持たせた機体で艦載型と陸上型があった。80年代においては対潜哨戒ヘリコプターとしてHSS−2Bは 世界水準にある機体であり海自が建設を進めた88艦隊の一翼を担う存在でもあった。 90年代に入ると後継機となるSH-60Jの配備が始まりHSS-2系の機体は徐々に用廃が進み平成15年度(2003年度)までに全機が除籍された。
製作
・機体 三菱重工
・エンジン 石川島播磨重工
メインローター直径 18.91m
全長 22.32m
胴体長 16.69m
全高 5.24m
全備重量 9299kg
エンジン ターボシャフト×2(搭載エンジン:T58−IHI−10M2)
出力 1500shp×2
最大速力 129ノット
乗員 4名

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