三八式野砲/Imperial Japanese Army Type 38 75 mm field gun

土浦駐屯地・武器学校火砲館で展示されている三八式野砲
.
茨城県土浦に所在する陸上自衛隊武器学校には三八式野砲をはじめ多数の旧軍兵器が保存展示されている。

火砲類の大半は屋内展示されているが近年では経年劣化が進んでおり部品の欠落も目立つようになっている。レストアして次世代に継承して欲しいものだ。



砲尾 水平鎖栓式
砲身
・口径 75粍、全長 2325粍(31口径)、重量 333s
砲列砲車重量 947kg
弾量  6.34s(九○式尖鋭弾)
初速 
・榴散弾 500m/s、榴弾  510m/s
最大射程
・榴散弾 8350m、榴弾  8250m

日露戦争中に独クルップ社に発注、大東亜戦争終結まで第一線で奮戦した老兵

日露戦争の戦訓からロシア軍の強力な砲兵火力に対抗し得る近代的な砲身後座式野砲を採用する事となった。時間的な問題と優れた外国技術を導入する為、 新野砲は火砲の先進国ドイツを代表する兵器企業クルップ社に発注されることになった。これが三八式野砲である。

クルップ社からの調達が遅れた為に日露戦争には間に合わなかったが輸入砲を参考に大阪砲兵工廠でライセンス生産も行われ第一次大戦の青島攻防戦で実戦に初参加 した。後に砲架を改造して射程を延長した改造三八式野砲が作られたがこちらは故障が多く実用性で難があったようだ。 三八式野砲は3359門調達され長年に渡り第一線にあり大東亜戦争終結まで各戦線で使用された。
宇都宮駐屯地で展示されている三八式野砲

三八式野砲の砲尾は水平鎖栓式を採用していた。
砲身下の揺架には内部に駐退機が装備されている。砲脚は一脚式なのが外観上の特徴。


目次へ

太平洋の海鷲 inserted by FC2 system