支援戦闘機 F-1/JASDF MITSUBISHI F-1


↑F-1(00-8247) and (70-8277)
(写真上右)F-1(70-8277)は77機生産されたF-1最終号機で昭和59年度予算、62年度受領。現在は築城基地で展示されている
全幅:7.88m、全長:17.85m、 全高:4.45m、翼面積:21.17u
最大離陸重量:13.700kg
搭載発動機:TF-40-IHI-801Aロールスロイス/チュルボメカ801A ×2 ,推力:2320kg(A/B使用時3310kg) ,最大速度:1.6マッハ

対地・対艦攻撃機任務を担当していたF-86Fの後継機として国産開発された高等練習機T-2を改造して支援戦闘機としたものがF-1である。

もちろん、第二次大戦に開発された我が国初の 国産ジェット戦闘機となった(我が国初のジェット戦闘機の栄誉は「橘花」に与えたい)。原型機である超音速高等練習機として計画されたT-2は支援戦闘機への発展が考慮されていた。 当初、その支援戦闘機はFS-T2改と呼ばれていた。T-2と合わせた量産効果と開発時間の短縮の観点から改造は最小限度に留められた。

特に T-2の後部座席に搭載機器のスペース確保のカバーがかけられた構造となりこれが要因となって完全な水滴風防の採用に至れず後方視界確保の面でかなり不利になってしまったの は惜しまれる。

対艦任務を重視し同じく初の国産開発のASMである80式空対艦誘導弾の搭載を考慮されたのが大きな特徴である。主任務は対地対艦攻撃だが副次的に要撃任務を付与されていた。しかし、F-15やF-4EJに 比べてエンジン推力やレーダー、FCSの能力不足から要撃機としては能力は決定的に不足していた。

ミッション増槽搭載兵装例航続距離能力
要撃なしAIM-9L×4150nm
対地攻撃500ポンド普通爆弾Mk82×8、AIM-9L×2190nm
対艦攻撃80式空対艦ミサイルASM1×2、AIM-9L×2300nm

増槽なしの場合、500ポンド普通爆弾Mk82は最大12発搭載可能。750ポンド爆弾JM117も搭載出来るが運用末期は部隊運用されなかったようだ。


F-1(90-8227)Air Park Hamamatsu→

よく比較される英仏共同開発の「ジャガー」 である。搭載エンジンは同系列、速度性能も類似していたが練習機から派生したF-1に対して「ジャガー」は攻撃機として開発されその後に練習機が派生した。

能力不足ながらF-1は要撃任務に 付いたが「ジャガー」は攻撃に特化しており空対空戦闘はあくまで自衛の範囲に留まる。

制式化当時、F-1は”和製ジャガー”と評された事もあったが実用軍用機としては本家に及ばなかった、 と言うのが歴史の評価であろう。

生産数は77機、1977年に部隊配備が開始され2006年3月までに全機用途廃止となった。

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